掃除のときに手軽に使用できるアイテムとして、アルコール消毒液があるでしょう。こちらはすぐに使用できる便利なものですが、ワックスを塗っている床に使用すると、よくない影響を及ぼすことがあります。そのため、使用をできる限り避けましょう。フローリングにアルコールをこぼしてしまったときの対処法を紹介します。
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アルコールでフローリングが白くなった!
床を除菌すると、白く変色して驚いてしまった人もいるでしょう。そのようなことにならないように、最初から正しい対処方法を知っておきましょう。
床が白く変色することがある
室内を綺麗に除菌しようと思っている人のなかに、アルコール消毒液を使用して清掃している人もいるでしょう。除菌ができるので、健康にもよい影響を及ぼしますが、誤ってアルコールを床の上にこぼしてしまったときに放置してしまうのはよろしくありません。
最初は無色透明の液体ですが、床が白く変色してしまうからです。室内を綺麗に掃除しているつもりが、床が白く変色してしまう原因を作ってしまっていることになるので、床が白く変色しない方法を知っておく必要があります。
ワックスが溶けるから
賃貸マンションや戸建て住宅などにかかわらず、フローリングにワックスが塗られている場合がほとんどです。賃貸マンションの場合は費用が抑えられたワックスが塗られていることがほとんどですが、どのような物件でも、どのような種類のワックスでも、アルコール消毒液をこぼしてしまうとワックスが溶けてしまいます。
簡単に油分が分解されてしまうので、白く変色してしまいます。市販されているキッチン用のアルコール消毒液は、電子レンジの油汚れや換気扇の油汚れを落とすために使用されます。本来の用途で使用するぶんには便利ですが、フローリングの汚れを落とすときには注意が必要です。
アルコール消毒液だけが原因ではない
そのほかのアイテムを使用して掃除すれば問題ないと解釈するのは危険です。その理由は、フローリングが白くなる原因がほかのアイテムにもあるからです。
掃除するときにウェットティッシュを使用する人がいるかもしれません。しかし、ウェットティッシュでも同じような状態になる可能性があります。そのため、床に落としてしまった食べ物や飲み物の跡を拭いた後に、床が白く変色する恐れがあります。
また、マニキュアを塗っている人は除光液を使用するでしょう。こちらが染み込んだコットンなどを床に落下させてしまうと、同じような状態になってしまうかもしれません。
アルカリ性の重曹を使用するときも注意が必要
油汚れは酸性なので、アルカリ性の重曹を使用すると中和されます。水に薄めて使用するのがポイントです。目安として、水100mlに対して小さじ1の重曹を混ぜましょう。一度の清掃ですべての重曹水を使用することは珍しいので、スプレーボトルに入れて、使用するときにスプレーでまくようにするとよいでしょう。最後に乾いた雑巾で床を拭きます。
このように、水で重曹を薄めることが大切ですが、ワックスを溶かしてしまう恐れもあるので注意しましょう。重曹以外にも、家庭用の掃除アイテムとして有名なセスキ炭酸ソーダも、同様の理由で気を付けなければいけません。
フローリングにアルコールをこぼしたら…その後の手順を解説
メラミンスポンジ単独で使用するのは避けましょう。必ず油と一緒に使用します。フローリングの耐久性が失われてしまうと、光沢感が失われるだけではなく、床に傷が付きやすくなります。
準備するもの
油、メラミンスポンジ、雑巾、水を用意します。雑巾は拭き取るときに使用します。そのため、乾いているものを使用しましょう。水はメラミンスポンジを濡らすときに使用します。
手順
まず、メラミンスポンジを水に濡らして軽く絞ります。次に、メラミンスポンジに油を少量付けます。そして、床が白くなっているところを軽く擦ります。最後に、乾いた雑巾で拭き取ります。
メラミンスポンジを単独で使用しない
メラミンスポンジだけ使用しても床の汚れは落ちますが、注意しなければいけないことがあります。それは、フローリングの艶が失われてしまう可能性があるということです。
フローリングの艶が失われてしまうと、光沢感や高級感が失われてしまうので、メラミンスポンジを使用するときは、汚れを落とせばよいと考えるのではなく、フローリングの艶を失ってはいけないので、油も染み込ませなければいけないと考えておきましょう。
フローリングの一部分の艶が失われてしまうと、その部分だけ目立ってしまいます。耐久性が失われてしまうので、メラミンスポンジだけでも問題ないだろうと安易に考えないようにしましょう。
白くなったフローリングを元に戻すには?DIYでできる対処法
特別なアイテムがなくても対処できます。どちらも水で薄めて使用しましょう。雑巾で床を拭くときは、手が荒れてしまわないように、自分の手を保護することも忘れないでください。
次亜塩素酸ナトリウムを使用する
こちらは、床が白く変色することがありません。強力なウイルスや微生物を不活性化する効果が期待されるものです。使用するときはそのまま使用するのではなく、必ず水で薄めるようにします。0.05%程度に薄めるとよいでしょう。
念のためにも、乾いた雑巾で仕上げに拭くようにすると安心です。衛生的にも良好な状態を保てるでしょう。
食器用洗剤を使用する
こちらは、もっとも手軽な方法として採用されています。ウイルスの感染力を無力化できるので有効です。こちらも、使用するときはそのまま使用するのではなく、必ず水で薄めるようにします。
500mlの水に対しておよそ5gの洗剤を入れましょう。最後に、乾いた雑巾で仕上げに拭くようにすると安心です。同じ方向に拭くことを心がけると、ウイルスや汚れが広がりにくくなります。
アルコールでフローリングが変色したときに試したい簡単な復元方法
簡単な方法を紹介します。ワックスが自宅にないときは、自宅にあるものを活用しましょう。メラミンスポンジは、力を入れ過ぎないようにしてください。
ワックスを塗り直す
状況を見て焦ってしまう人もいるでしょう。しかし、ワックスが溶けただけでフローリングは無傷なので安心してください。ワックスを塗り直すと状況が改善します。ただし、自宅にワックスやモップがあれば簡単に修復できますが、ワックスを塗るためのアイテムを持っていない場合は、業者に依頼しましょう。
メラミンスポンジで修復する
部分的に白い斑点が見えるような場合は、大がかりなワックスを塗る準備をする必要がありません。メラミンスポンジと油を用意して、白い斑点を落としましょう。油が自宅にないときは、油分を含んでいるモノであれば代用可能です。
たとえば、ハンドクリームがあれば代用しましょう。手順は、メラミンスポンジに油を付けます。その後は、フローリングの白くなった部分をメラミンスポンジで軽く擦ります。この際、力を入れ過ぎて強く擦らないようにしましょう。
自分で対処するデメリット
瑕疵になる恐れがある
賃貸物件の場合、勝手に修繕すると退去時にトラブルになるため、かならず大家さんの確認が必要になります。もちろん状態にもよりますが、とくに変色やカビなどは業者に依頼したほうが安心です。
一方で、小さな傷・汚れであれば自分で対処しても問題ありません。たとえば、ひっかき傷はハンドクリームと乾いた布できれいになりますし、深く削れてしまった傷は補修ペンであっという間に元どおりになります。
ただ、変色やカビのように状態が悪いと、自力でどうにかするのはむずかしく、それどころか状態が悪化し「瑕疵」になってしまう恐れがあります。通常、賃貸物件には「原状回復義務」があるため、自分で付けた傷は対象になりません。
ですから、退去時のトラブルを避けるためにもきちんと大家さんに伝え、業者に修理してもらいましょう。費用は、住民に瑕疵がなければ請求されることはないので安心してください。
■原状回復義務とは
経年劣化によるフローリングの傷・汚れは大家さんが対応してくれますが、住民が傷つけてしまった場合は自身で修繕費を支払うことになります。どのくらいの費用が発生するかは補修内容・範囲によって変わってきます。
たとえばフローリングごと張替えた場合、3~6万円が相場になります。一方で重ね張りなら2~5万円が相場になるでしょう。傷・へこみは8,000円~6万円と幅広く、軽度であれば1万円以下で済みますが、広範囲かつ深い傷なら1万円以上になるケースもザラではありません。
フローリング以外の補修になると、下は8,000円~上は6万円と種類によって大きく変わってきます。またほかの方法も、張替えor重ね張りが選択できるようになっています。
補修後のお手入れが悪影響になることも?
業者に依頼した場合でも、補修後間違ったお手入れをしてしまうと、直した箇所に悪影響を及ぼす危険性があります。そうなると、当然「瑕疵」になるため、住民が修繕費を支払うことになります。
とくに失敗が多いのが、拭き掃除です。塗装をしたフローリングは、アルコールや強力な洗剤で拭いてしまうと塗装がはがれてしまいます。樹脂ならスチームクリーナーによって変形してしまうでしょう。
こういったトラブルを防ぐために、正しい方法でお手入れをする必要があります。おすすめの方法は、乾いた柔らかい布でやさしく拭くことです。直射日光が当たらないようにすることも大切ですが、どうしても当たってしまう場合は業者に相談してみてください。
もちろん定期的なメンテナンスも欠かせません。日頃からきちんと掃除をし、可能であればワックスがけを行いましょう。ワックスがけをすることで、傷がつきにくくなり、水や汚れから守ってくれるからです。
ただし、過度なワックスがけは逆効果になる恐れがあるので、やりすぎには注意してください。
変色は再発の恐れがある
フローリングが変色してしまう原因は、日焼け・化学薬品・湿気・カビなどが主に挙げられます。なかでも多いのが日焼けによる変色です。紫外線を浴び続けたフローリングは塗膜が劣化し、保護機能が低下してしまいます。
目視では、白っぽくなっていると日焼けの可能性があります。また日焼けをそのままにしておくとどんどん汚れが溜まり、グレーに変色してしまう危険性があるため注意しましょう。
物件の立地上、日焼けを避けられない方もいると思いますが、せっかく修繕した箇所が再度変色してしまわないように、保護シートを貼ったり、賃貸でなければフロアコーティングを行ったり工夫してみてください。
もちろん、なにが原因で変色してしまったのかも、きちんと理解することも大切です。湿気やカビが原因で変色したのに、ほかの対処法を行っても意味がありません。たとえば水染みによる変色ならマットを敷く、ペットの粗相ならペットシートを置く、湿気やカビならカーペットやラグを敷かないなども再発防止につながります。
フローリングの変色は原因がわかりやすいので、簡単に再発を防ぐことができます。
まとめ
掃除の知識に自信がない人は、まずインターネットや書籍などで調べてみましょう。インターネット上で色々な人の数々の失敗例を確認できるので、同じ失敗をしないように気を付けてください。また、必要なアイテムを揃えてから掃除するようにしましょう。
たとえば、油が自宅にないという理由で準備しないのではなく、油の代わりになるものを調べて用意するなどの行動をとるようにします。自己流で取り組んでしまうと、思わぬトラブルや被害が拡大することが考えられるので、安易に自己判断しないようにしましょう。いつまでも快適に暮らせる住まい環境を維持してください。