家のリフォームを検討している方の中には、フロアコーティングについてよく知らない方も多いのではないでしょうか?しかし、フロアコーティングには種類が複数あり、それぞれで特徴が大きく異なります。この記事では、フロアコーティングの種類別の特徴と、その正しい使い分けについて解説します。
フロアコーティングの種類と特徴
フロアコーティングは大きく分けて4種類あります。ここでは、それぞれの特徴をまとめて解説します。フロアコーティングを施行する際の参考にしてください。
ウレタンコーティング
耐久性が高く、防水・防油性に優れたコーティングです。水性もしくは油性のウレタン樹脂が用いられますが、水性の方が安全なので、近年は水性がよく使われる傾向にあります。仕上がりは、つやが少なく、落ち着いた雰囲気となります。その他のコーティング剤よりも施行料が安いのも特徴です。
しかし、耐用性は低く、短いものでは2、3年で定期的な塗り替えが必要となります。中には、10年ほどの耐用年数を持つものもありますが、その分の費用もかさみます。
エポキシコーティング
硬度が高く、耐酸・耐アルカリ性に優れたコーティングです。塗料としてだけでなく、接着剤としても使われます。弱点として、紫外線に弱いことが挙げられ、日の当たる場所に施行すると、短期間で黄色く変色してしまいます。
価格は、硬度が高く、耐酸・耐アルカリ性に優れている分、他の塗料に比べて高価になりがちです。しかし、単価は高いものの、費用対効果は高くなります。エポキシコーティングは維持費や管理費がかかりづらく、トータルコストを下げることが可能です。
ポリウレタンコーティング
耐摩耗性や弾性に優れ、足音を軽減する効果があります。アウトドアリュックの裏面の処理に使われていることが多いコーティング剤です。特に吸音性に優れており、金属同士が当たる音を半分以下にできます。
ポリウレアコーティング
施工時間が短く、耐候性や耐熱性に優れたコーティングです。ポリウレアとは、イソシアネートとポリアミンの化学反応で生成されるウレア結合を基本とした樹脂化合物です。
防水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、防食性など全ての項目で高い性能を誇り、様々な用途で使われ、対象物の強度を劇的に高めてくれます。また、速乾性にも優れており、たった一日で施工可能です。
デメリットとして、扱いが繊細であり、誤った施工によってコーティングの浮きや剥がれが生じる可能性があります。
床面の状態による選び方のポイント
床面の状態によって、施行すべきコーティングは異なります。ここでは、それぞれのコーティングの使い分けを紹介します。
床面が油や水などで汚れている場合
防水性や防油性に優れたウレタンコーティングが適しています。さまざまな価格帯が用意されているので、予算にあった品質を選ぶようにしましょう。
床面が薬品やアルカリなどの影響を受けやすい場合
耐酸・耐アルカリ性に優れたエポキシコーティングが適しています。薬品やアルカリなどに強い耐性を持っているので、他のコーティングに比べ価格帯は高くなります。しかし、一度コーティングしてしまえば、維持費がかかりづらいのも特徴です。
足音などの生活音を軽減したい場合
床面の使用頻度や目的によっては、足音を軽減する効果のあるポリウレタンコーティングが適しています。このコーティングは、とくに吸音性に優れており、金属同士が当たる音でも半分以下に軽減してくれます。
屋外や駐車場などの耐候性が必要な場合
耐熱性に優れるポリウレアコーティングが適しています。他にも防水性や耐摩耗性などの特徴を持っており、速乾性にも優れているため、駐車所の施行におすすめできるコーティングです。
施工箇所による選び方のポイント
施行する場所によってもコーティングは異なります。ここでは、それぞれのコーティングの使い分けを紹介します。
工場や医療施設など
清潔さが重視される場所には、防塵効果があるエポキシコーティングが適しています。コンクリートの表面を保護する事で、ホコリの発生を防止できます。
スポーツ施設や商業施設など
足音が問題になる場所には、足音を軽減するポリウレタンコーティングが適しています。最近では、カーテンなどにも防音性を高めるためにコーティングされることもあるほどです。
屋外や駐車場など
耐候性が求められる場所には、耐熱性に優れるポリウレアコーティングが適しています。施行時間が短いので、天候にも左右されずに、コーティングが可能です。
車庫や倉庫など
防水性や防油性が必要な場所には、ウレタンコーティングが適しています。ただし、耐用年数が短いものもあるので、メンテナンスの手間などを考えて、選ぶようにしましょう。
まとめ
フロアコーティングには大きく分けて4つの種類があります。それぞれで特徴や価格が異なるため、床面の状況や施行場所によって最適なコーティングは違ってきます。同じコーティングでも品質が異なると、価格もコーティングの有効期間も異なってきます。
例えば、同じウレタンコーティングでも、2、3年で定期的な塗り替えが必要ものから10年ほどの耐用年数を持つものもあります。施行する場所によるメンテナンスの手間を考慮して、コーティングを選ぶようにしましょう。